恐怖!? 受水槽から給水された水はそのまま口にしない方が良い理由とは?

団地やマンションなどもの集合住宅に住んでいる方、「受水槽」というものをご存知でしょうか?

おそらく下の写真を見れば、「あーコレね、見たことある」となると思います。

この受水槽はその名の通り水が入っているわけで、設置されている建物の生活水をまかなっています。

ただ、この水は必ずしも綺麗ではないことがあるのです。こんなことを言うと心配になってしまうかもしれませんが、ほとんどの場合は問題なく、“綺麗ではないケースも存在する”と考えていただければと思います。

綺麗でなければ、もちろんそのまま飲まない方が良いのは当然です。対策としては浄水器をや煮沸で充分なレベルですから、このページを読んでどんな時に綺麗ではないのか、知識を深めてみてください。

1.なぜ受水槽があるの?

集合住宅は階数が多いですから、道路に埋設されている水道管からそのまま水を送っても、上階に水が届きません(水圧が足りないため)。または、届いたとしても、下階は圧力が高すぎ上階はチョロチョロしか水が出ないなんてことにもなってしまいます。

そこで、受水槽に溜めた水をポンプを使って屋上の一回り小さな「高置水槽」に送り、自然流下させることで全ての階で水圧を確保するのです。水圧が強すぎる階は減圧弁というものを使用して、適正な水圧まで下げます。

また、受水槽はかなり大きいので、災害によりインフラである水道管が機能しなくなってしまった場合に、溜まっている分の水を使えるというメリットがあります。

ただ、最近ではメンテナンス性やスペース確保の観点から、受水槽(高置水槽を含む)を撤去して、増圧ポンプを使う方式に変える建物も増えています。

2.汚い場合とは? 清掃はやらないのか

そもそも、受水槽は1年に1回は必ず内部を含めた清掃や水質の検査を行わなければなりません。法律でそう定められているのです。

しかしながら、必ずそれが行われているのかといえば、残念ながらそうではないようです。

清掃が行われる際には、エントランスの掲示板やエレベーター内などに必ずお知らせが掲示されるはずですから、万が一何年もされていないようであれば、管理事務所などに問い合わせてみましょう。

それを含めて、受水槽の中の水が汚いと考えられるケースを挙げておきます。

2-1. 単純に古い

材質が何であれ、何十年も経てば必ず劣化します

つまり、剥がれる・溶ける・錆びる・割れる・漏れるなど、水に不純物が入る可能性があるということです。私もこれまでにいくつも漏れている受水槽を見てきました。

本来なら点検時に分かるはずですし、何らかの対策がとられるはずです。

2-2. 掃除の直後

年に1回の掃除では、断水して水を抜き内部を洗います。掃除するわけですから結果的には綺麗になるわけですが、直後というのは洗って剥がれた汚れや人が落としたものなど、不純物が混ざる可能性も多いです。

掃除の直後には2、3日様子を見ていただくことをお勧めします。

2-3. イタズラ

受水槽には必ず人が入れる大きさのフタが付いています。通常は受水槽に簡単に近づけないように、フタも簡単に開かないように施錠管理されています。

しかし何らかの理由によりこのフタが開けられるようになっていた場合、子供や悪い大人にイタズラされる可能性はあります

お住いの場所が、受水槽に簡単に近づけるようになっていないか確認してみてください。

2-4. 密閉性が低い

経年劣化によるものがほとんどですが、水槽自体の密閉性が低ければ、不純物が入ってしまうリスクは高まります。

そう簡単に隙間や穴が開いてしまうことはありませんが、他の工事や地震の影響などが考えられます。

2-5. 使用率が低い

かなり稀なケースです。集合住宅でも空き家が多ければ、受水槽の水の使用率は低くなり、長いこと滞留している水があることになります。

水道水は長く置くほど消毒用の塩素が抜け、水質は悪くなります。

普通に住人がいる場合には、短いスパンで新しい水が入りますから問題にはなりません。

ちなみに余談ですが、数年前に受水槽ではなく地区の水をまかなう貯水槽でこんな事件がありましたね。

貯水槽で誰か泳いだ!?

3.これまでに入ってきた受水槽の中

最後に、私がこれまでの現場経験で見てきた受水槽の例をご紹介しておきたいと思います。あくまでも“あまり良くない例”であることをご理解ください。

3-1. かなり古いテナントビル地下のコンクリート製受水槽

都内の駅近商店街にある狭小ビルです。地下1階の更に下レベルにコンクリート製の受水槽がありました。内装を全て解体して配管もほとんど全てを更新する工事の一環で受水槽にも入ったのです。

そもそも地下なので水を抜くのが大変でしたが、中に入って唖然としました。

水がそこまで溜まっていたであろう跡が壁一周にあり、よく見るとあの夏の風物詩であるムシの死骸がビッシリと貼り付いていたのです。地獄絵図です。

気持ち悪い話で申し訳ありませんが、これは事実です。ただ、最悪の例と考えて問題ないですし、テナントビルですから、ほとんど人の口に入ることはなかったと思われます。

3-2. 築30年マンションのコンクリート製受水槽

マンションの受水槽(地下レベル)はさすがにメンテナンスされているからか、中の水はとても綺麗でした(見た目です)。ただ、先ほどのテナントビルの例を含め、地下にあるコンクリート製の受水槽にはある欠点があります。

それがポンプでしか水を抜けないことです。

水を抜いて中に入り(安全上、土足になる)、作業した後にそのまま水を溜めるしかありません。その点、冒頭写真のような受水槽は、水抜きのバルブを開けておけば、ホースで汚れた部分を流すことができます。

左:FRP製 右:地下のコンクリート製

この時は増圧ポンプへの切替工事だったので、その後受水槽の水は使わなくてなったのですが、ポンプのゴムやコードの部分にはかなりの劣化が見られ、底には沈殿物がありました。

3-3. 大規模な団地のFRP製受水槽

広く採用されているのが、FRPと言われる強化プラスチック製(ベージュ色)の受水槽です。冒頭の写真のようなタイプです。

大きなものになると、ちょっとした一戸建てくらいはあります。工事前の調査で、上部のフタを開けて覗いただけでしたが、特にゴミなども浮いてなく綺麗でした。

ただ、カルキのものなのか、鼻をつくような強烈なにおいがしたことを憶えています。そしてFRP製のパネルの継目からポタポタと漏水していましたから、もしかすると密閉性がかなり悪くなっていた可能性があります。

まとめ

集合住宅では給水方式として、受水槽(~高置水槽)方式が採用されています。大きな水槽なので、溜まっている水を災害などの緊急時にも使えるメリットがありますが、中の水は必ずしも綺麗ではないのが現実です。

できるだけそのまま飲むことはせず、煮沸をしたり浄水器を使用しましょう。特に小さいお子さんがいるご家庭や、夏の時期に水出し麦茶をよく作るご家庭など、頭に入れておいて損は無い情報かと思います。